正しい書家、石野華鳳

古典を蔑ろにしない
書の名門、大東文化大学文学部書道学科を卒業。
書道には、歴史や理論、鑑賞法を学ぶ「書学」と、
芸術的表現手法や技術を磨く「書作」の
両方が重要であることを学ぶ。
そのため、書家となった現在も尚、
古典から学び、自身の創作の糧としている。
「正しく書く」という、基本であり
最も難しい技術を体得している
類稀な書家の一人。

文字に対する直向きさ
一つの文字に真摯に向き合う。作品を制作する際、
どんなに見知った文字であっても、辞典を引き、
古典を紐解き、どんな場面でどのように書かれたかを研究する。様々な文脈を考慮した上で、今その字に求められている役割を考え、何枚も何枚も習作を重ねていく。
ときにはその数が1000枚に及ぶことも。
上手に書くのは当たり前。
思いを、メッセージを一文字に込める。

あらゆる表現に通じている
漢字だけ、仮名だけを書く書家にはなりたくなかった。どちらかに秀でても、どちらも書ける書家になりたかった。高木聖雨氏に師事したのもそのため。仮名の起源は漢字にあるから、先ずはあらゆる書体の漢字を学んだ。そして仮名ももちろん学んだ。
伝統や格式は重んじたいと思っている。
けれど、自分にしか出来ない可能性も表現したい。
正しくて新しい書を探求している。